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参加型組織は熱量によって支えられている(シリーズ「参加型組織について考える」第5回)

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参加型組織が破綻するとき

ここまで、

* 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)* 第2回 「好き」が参加を生むこと* 第3回 参加型組織と放任の違い* 第4回 理念への共感と参加は別物であること
について書いてきました。

そして最近、もう一つ考えていることがあります。

それは、「参加型組織は何によって維持されているのか」ということです。

仕組みだけでは維持できない

以前の僕は、組織の課題の多くは構造で解決できると思っていました。

* 情報共有を増やす。
* 評価制度を整える。
* プロジェクト管理を整備する。
* 役割を明確にする。

もちろん、今でもそれらは必要だと思っています。
実際、組織運営において構造は重要です。

でも、それだけでは足りないんですよね。

なぜなら参加は強制できないから

参加型組織の特徴は、参加することを前提としていることです。

ただし、

* 参加そのものを強制することはできません。
* 会話することは命令できるかもしれません。
* 報告を求めることもできるかもしれません。

でも、

* 興味を持つこと
* 理解しようとすること
* 良くしたいと思うこと

までは強制できない。
ここが参加型組織の難しいところだと思っています。

熱量が失われると何が起きるか

何かを好きでいる人は、

* 自然と見に行きます。
* 気になれば調べます。
* 困っていそうなら声をかけます。
* もっと良くできそうなら提案します。

でも、その気持ちが失われると、行動は少しずつ減っていきます。

* 別に反発しているわけではない。
* サボっているわけでもない。
* ただ、関心が薄れていく。

すると、

参加型組織を支えていた見えない動きが減っていくんですよね。

北風は熱量を奪う

第2回で『北風では参加は生まれにくい』と書きましたが、振り返ってみると、『北風は熱量を奪う』というほうが、より正確だったのかもしれません。

最近振り返っていて思うのは、人が離れていく理由の多くは、能力不足ではなく熱量の低下なのかもしれない、ということです。
もちろん、仕事には厳しい場面もあります。
期待を伝えることもあります。
改善を求めることもあります。
それ自体は必要です。

ただ、その伝え方が北風になってしまうと、人は参加しなくなります。
最低限の仕事はする。
でも、

* もう見に行かない。
* もう聞かない。
* もう提案しない。

そうして少しずつ関心が失われていく。

参加型組織は意外と繊細

トップダウン型の組織は、命令によってある程度動かすことができます。

でも参加型組織は違います。
参加型組織は、人の関心や熱量の上に成り立っています。
だから強そうに見えて、実はとても繊細です。

制度が残っていても、情報共有が残っていても、そこへ関わろうとする人がいなくなれば成立しなくなる。

だから大切なのは熱量を守ること

最近は、組織運営で本当に大事なのは、管理することではなく、関心や熱量を失わせないことなのかもしれないと思っています。

* 何を好きなのか。
* 何を面白いと思うのか。
* どこに誇りを持っているのか。

そういうものを尊重しながら、関わり続けられる状態を作る。
参加型組織を維持するというのは、そういうことなのかもしれません。

Memo参加型組織は、構造だけでは成立しません。
評価制度も必要です。
情報共有も必要です。
プロジェクト管理も必要です。

でも、それらはあくまで土台です。

実際に組織を動かしているのは、

* 「もっと知りたい」
* 「もっと良くしたい」
* 「もっと関わりたい」

という人たちの関心や熱量なのだと思っています。

そして、それが失われたとき。
参加型組織は静かに弱っていくのかもしれません。

シリーズ「参加型組織について考える」全8回* 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)* 第2回 「好き」が参加を生むこと* 第3回 参加型組織と放任の違い* 第4回 理念への共感と参加は別物であること* 第5回 参加型組織は熱量によって支えられている* 第6回 採用は「自然関与」を観測する行為であること* 第7回 構造で説明できる限界* 第8回(最終回) 組織は、関係性の積み重ねでできている

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